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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第24章 消えた贈り物


「ねぇ、ルーズベルト。あれもオートクチュールって事だよね?だったら・・・。」
「あぁ、請求金額は破格の値にしておこう。詫び賃を含めたものとして。」

破格の値って・・・。いや、聞かないでおこう。

「あのイヤーカーフ、同じデザインでシェラの瞳の色で作らせる。対になるように。それはウチからの謝罪として受け取って欲しい。」

同じデザインでシェラザード様の瞳の色。対になるもの。ペアってことだよね。それならいいのかな。

「はい、有難く頂きます。それと、ありがとうございました。ご迷惑おかけしてしまいましたし・・・。」
「アメリアは、もう僕たちの大事な一族の仲間だよ。だから、今度、僕たちに美味しいものご馳走してね?シェラによく自慢されるんだよね。」

ありがとうございます~の一文字一文字に全て濁点が付いた大号泣の私。アラン様が私の頭を撫でようとして、指輪によって弾かれて皆で笑うことに。

お店を出ると、目の前に見慣れた馬車があった。

「ごめんね、アメリア。シェラ、呼んだんだ。隠し事は出来ないから。」

馬車のドアが開き、シェラザード様が降りて来た。

「後は私に委ねろ。アメリアを泣かせた詫びは、しっかり償って貰う。皆も世話になった。」
「じゃ、またね。アメリア。」

皆と別れて、私はシェラザード様にエスコートされ馬車に乗り込んだ。

「縁談の話し、聞いたんだろう?」
「はい。」
「元々は、小さは噂から広がった。発信源には厳重注意しか出来なかったがな。それでも、侯爵家は当然とばかりに話しを進めようして、あの母上を怒らせた。私が留学していた時の話しだ。」

本人不在で縁談進めようとしてたの?丁度その頃、あの王女とのこともあって、シェラザード様のお母上は八つ当たりも含めた怒りをぶつけたらしい。

あ、あのデザインだけど、【S】の文字を使うのは癪だったので、【S・A】をそれらしく組み込んでおいた。

「疲れたか?」
「少し。」

全面的に精神的なものですが。シェラザード様に抱えこまれる様に抱き寄せられ私はそのまま寄り掛かった。

ただ、こうして傍にいてくれることに安堵する私。あのブローチは残念だったけれど、蕎麦の花・・・可愛らしくて悪くないよね?

私はシェラザード様の温もりに癒されながら、屋敷に帰るのだった。
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