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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第23章 二度目の人生でも初の学園祭


それぞれを半分にしてもらって、食べることになりました。シェラザード様と折半です。

「如何でしょう、アメリア様。」

料理長のドミニクが、私に感想を求めて来ます。

「私が作ったものが恥ずかしく思う程、とても美味しいと思います。流石、料理長です。」
「いいえ、私はレシピ通りに作っただけ。アメリア様の知識には、私などまだまだだと。」
「ただ、女性から言わせて貰うなら、サイズを小ぶりにしていただいた方がいいかもしれません。幾ら美味しくとも、量が食べられませんので。」

その後、詳細が詰められ準備が進められていった。あ~、良かった。何とかなりそうで。それと、私も全種類食べたい。


そして、学園祭に近付くにつれ、周りも賑やかになっていく。相変わらず、シェラザード様への勧誘は止まることはなかったけれど。

結局、誰と張り合っているのか分からないまま日々が過ぎ、今日この日、私は誰が相手だったのか知る事となりました。

今、シェラザード様はトルン様に呼びだされて不在。一人で教室から出てはふらりと散歩することにしました。

前方から来たのは、見た目が似ているので兄妹かなと思う二人。さり気なく避けたのだけど、通してくれない事が分かって顔を上げました。

誰?

「あの・・・通して頂きたいのですが?」
「嫌だと言ったら?」

あぁ、ニヤニヤ顔がウザいし気持ち悪い。そして、面倒くさい。小学生かと言いたいところですが、そう言っても伝わらないでしょう。

「はい、分かりました。」
「えっ?」

キョトンとする二人に背を向け、元来た道を戻ろうとすれば足早に回り込まれ挟み撃ちされています。さて、どうしましょう?

「あ、フラン様、アラン様。ごきげんよう。」
「アメリア。あれ?珍しい、一人?」
「一人は危険だよ?」

そう、まさに今それです。

「で、知り合い?」
「いいえ。」
「そう。で、アメリアに何か用?」

双子は令息を挟んで、見下ろしています。表情も声色も、全然、通常のものではありません。

「シェラザード様を、私どもの班に勧誘したいのです。」

返事をしたのは、令嬢の方でした。顔だけ令嬢の方に向けたフラン様は、値踏みするかのように令嬢を見ています。

「キミの班は何をするの?」
「マフィンです。」
「つまんない。」

令息も令嬢も、キョトンとした顔です。勿論、私でさえも。
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