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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第19章 デートと嫉妬 


「いいから、使え。魔除けにもなる。」
「あ、ありがとうございます。大切にします。」
「あぁ、その笑顔が見たかった。」

指輪以外はシェラザード様のマジックバックにお願いしては、再びお店を出た。

どうしても、右手に目が向いてしまう。それに、顔もヤバい。

「そう喜んで貰えたのなら、本当に良かった。」
「えっ?あ、嬉しいです。」

シェラザード様の顔を見上げると、眉間に皺があることに気付いて私は前方を向いた。

これは、アレですか。ゴロツキと言われる人たちですか。シェラザード様は、背後に私を隠した。

「何か用か?」
「いや、えらく羽振りが良さそうだから、俺たちにもおこぼれを貰えないかと思ってな。あぁ、ついでにその女も譲ってくれたら有難いんだけどなぁ?」

思ったより人が多い。

「お前達か、最近、他所から流れて来たゴロツキと言うのは。今の要望だが、断わる。」
「じゃあ、ちょっと痛い目に合ってもらわねぇといけねぇなぁ?その綺麗な顔に傷作ることになるがいいのか?」
「お前たちのその容姿なら、少しくらい傷が増えても何ら変わらないだろうな。」

あ、煽ってる!!?このメンタルの強さって何?

「ほら、捕まえろ。少々、傷を作ってもいいそうだ。」

しかし、その場にいきなり現れた領地の兵士たち。シェラザード様が、魔法で呼び寄せたのだろう。最初は呆然としていた兵士たちも、意味を直ぐに理解すると捕縛に向かって行った。

それでも、悪あがきからか、親玉らしき男がシェラザード様めがけて突進してきた。ナイフを持って。

「目を閉じてろ、アメリア。」

私は言われた通りに目をギュッと瞑った。

ザシュと、何かが斬れた音がした。

「その・・・剣の・・・紋章は。」
「この領地の後継者だ。相手が悪かったな。連れて行け。」

喧噪の中、人の気配が無くなっていく。

「もういいぞ、アメリア。」

恐る恐る目を開けると、いつもと変わらないシェラザード様の姿。そして、周りを見回しても誰の姿も無くなっていた。

「あの・・・斬ったのですか?」
「殺してはいない。全治一ヵ月というところだ。」
「そ、そうですか。シェラザード様は、お怪我は?」

身体を確認したけれど、何も変わったところはなくホッとした。



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