第19章 デートと嫉妬
ほうとうのような料理で、具材もたくさん入っていて美味しく食べることが出来た。ただ、私はあれを味噌味で食べたいとは思ってしまったけれど。
店を出ると、私は現実逃避したくなった。一体、この領地に若い女性はどれほど存在するのだろう?さっきとは違う人たちらしいが、また意地悪されるのかと思うと辟易する。
まぁ、モテるのは仕方ない。こんなに美男子で公爵家の跡取りなんだから。
「アメリア、私を見ろ。」
「えっ?」
見上げたと同時、公開キスシーン。え?え?何これ。こんな人前で何やってんの?って、舌入ってきたし。これは、あれですか?見せつけたいのですか?
長いキスシーンを往来で見せつけてから、満足そうに唇が離れた。今の私は目を回しそうです。
「ん?まだ、足りないか?」
「えっ?そっ!!?」
また、来たーっ!!!こんな人前で、貪られてる。終わったら、唇が腫れてそう。
「フフ、愛らしいな。私のアメリアは。」
「シェラザード様・・・せめて、場所は選んで欲しいです。」
「たまにはいいだろう?見せつてやるのも。ほら、行くぞ。」
貴方に羞恥心はないのですか?でも・・・きっと、私の為なんですよね?唇、腫れてないかな?
次に入ったお店は、宝飾のお店。どうやら、公爵家が利用しているお店みたい。
「シェラザード様、ようこそお越しくださいました。注文のお品、出来上がっております。」
「見せて貰おう。」
奥から出されてきたのは、15cm四方の箱。箱の蓋が開けられ、中に入っていたのは一式の装飾品。
ネックレス・イヤリング・指輪のどれもがアメジストがメイン。目が潰れるかと思うほどのものだった。
「あぁ、よく出来ている。世話になった。」
満足そうにそう言っては、指輪を摘まんだ。
「アメリア、右手を出せ。」
「えっ?あ、はい。」
何の疑問も思わず右手を出せば、薬指に嵌められた。私は驚きで、指輪とシェラザード様を何度も交互に見た。
「遅くなったが、婚約指輪だ。」
「えっ?婚約指輪?」
「気に入らなかったか?」
私はちぎれんばかりに、首を横に振った。
「シェラザード様みたいで、とても綺麗です。」
「男の私を綺麗と形容するのはまぁおいておくが、気にってくれたのなら良かった。普段から使ってくれ。」
「えっ?普段なんて、勿体なくて。」
壊したりなんかしたら、大変なのでは?