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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第18章 公爵家の領地へご招待 


「そう危険な場所ではない。」
「そうですか。」
「・・・すまないな。まだ婚約者という立場なのに、使うような真似をして。だが、それがあるから私もこうして自由にさせて貰えている。もし、どうしても嫌だと思うことがあれば、遠慮なく言ってくれ。」
「はい。お気遣いありがとうございます。」

誠実で優しい人だ。

「そろそろ中に入ろう。身体が冷える。」

室内に戻って来て、再び、私は挙動不審?

「ほら、指定席だ。」

シェラザード様の膝の上に誘導された私。顔が近くて、真っ赤になっていく。

「そう恥ずかしそうにされると、余計に可愛がりたくなるのだが。私が、嫌だという訳ではないよな?」
「嫌ではないです。その・・・。」
「あの時のこと思い出した?」

頷くと、シェラザード様は笑う。

「今日は来たばかりだ。ゆっくり休もう。」
「えっ、シェラザード様は、もう私に飽きてしまわれたのですか?」

シェラザード様は、目を丸くして私を見た。

「あまり、私を煽ってくれるな。これでも、気持ちを静める為に必死なんだ。」
「全然、普通に見えます。」
「あまり情けない姿を見せたくないだけだ。私はいつでもアメリアが欲しい。でも、だからと言って、獣になろうとは思わない。まぁ、私の見栄みたいなものだ。」

獣になったシェラザード様・・・。どんなだろう?

「まだ、寝るには時間は早い。本でも読むか?」
「はい。」

シェラザード様に渡された一冊の本。気付いたら夢中になっていて、領地の小麦と言う文面でハッとして隣りを見た。

穴が開くのでは?と思う程、シェラザード様が私を見ていた。不意に合った目が、何処となくいつもと違う様で私は頭の上に?マークを浮かべる。

「シェラザード様?」
「あ、何だ?」

どうやら、心は違うところに行っていた様だ。

「お疲れですか?そろそろ休まれます?」
「あぁ、そうだな。そうしよう。」

ベッドに横になったのだけど、今の私は羽交い絞めされている。一体、どうしたんだろう?

こんな、縋るような手離したくない様な・・・不安を感じているかの様なシェラザード様は初めてだ。

「あの、少し苦しいです。」
「これくらいでいいか?」

緩められた腕にホッとしては、それでもシェラザード様に擦り寄ればシェラザード様が息を飲んだ事に気付く。何か、いつもと違う。


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