第17章 Last chance
ドラケンくんはマイキーくんがさっきまで読んでいたハガキを手に取った
そしてそれに軽く目を通すと、段々と眉間に皺が寄っていく
「【拝啓 佐野真一郎様
最近ずっと頭が痛い…苦しい…
きっとアイツのせいだ…】」
「え?」
「【万次郎の話はもうしないで。
早く伊織に会わせて。】」
ゾクリと、背筋に悪寒が走る
…この手紙の量といい、黒川イザナからは狂気のようなものを感じる
「黒川イザナは幼くして家族に捨てられた。
そして初めて自分を訪ねてきてくれた真一郎くんという存在…
それがコイツの唯一の支えだとしたら、マイキーをどう思うんだろうな?」
確かに…真一郎くんから黒龍を継いで、だけど黒龍はマイキーくんのために残したチームだと聞かされた時、黒川イザナは何を思ったんだろう…?
「嫉妬…?」
「ああ、マイキーへの激しい嫉妬…恨み…」
「…」
「ずっと引っかかってたことがある。」
「え?」
「東卍結成時、九代目黒龍総長だった斑目獅音が言った言葉だ」
─
──
───
「八代目の意志を継ぎ!!佐野万次郎、そして東京卍會は黒龍が潰す!!!」
───
──
─
「八代目の意志って…八代目の総長は黒川イザナ…!」
「そう。
九代目が一虎に粉かけてたのも真一郎くんにバレないようにマイキーを潰すために黒川イザナが仕組んだ事だとしたら?
全部黒川イザナの私怨だとしたら…?」
「真一郎くんがいない今、自ら天竺を作って乗り込んできたんだ。
…今度こそ、マイキーくんを潰すために…!!」
血のつながった弟を潰すために…!!
そんな…マイキーくんたちも知らない間に何年も何年も前から計画は進められていたんだ
その年月が物語るかのように、黒川イザナの抱える思いが軽いわけがない
…これは…想像以上の抗争に発展するかもしれない…