第17章 Last chance
ドラケンくんが先に入り、俺もその後に続く
そこには想像していたよりも遥かにシンプルで無駄のない部屋が広がっていた
「かっけー!
けど…なんか大人っぽすぎません?」
「まぁほぼ真一郎くんのモノだからな。」
「俺のものなんてベッドくらいだよ」
「マイキーくん!!」
「朝からデケェ声出すなよ」
ノソリと横から入ってきたマイキーくんはまだ髪もボサボサで、朝は機嫌が悪いタイプなのかちょっと不機嫌そうだった
欠伸をしながらもソファに座ると、後ろから当たり前のようにドラケンくんがマイキーくんの髪を解かし始める
俺は天竺の総長は黒川イザナという奴であること、そして元黒龍の八代目総長だったことを鶴蝶から聞いたとマイキーくん達に話した
するとマイキーくんは腕を組みながらうーんとひとつ唸ってつぶやいた
「なるほど…黒川イザナ
あのこの前絡んできた奴か…」
「え!?会ったの?」
「ウン!たい焼き食ってたらなんか来た!」
「…たい焼き?」
「あいつが天竺の総長ねぇ…」
「八代目黒龍元総長。
そして今は天竺総長黒川イザナ、か…
真一郎くんと繋がってたのかも知れないな。」
「え?」
なんでマイキーくんのお兄さんと…?
伊織さんじゃなくて…?
「タケミっち。ここだけの話だ。」
「はい!」
「真一郎くんは黒龍の創設者なんだ。」
「…はい!」
「……ん?驚かねえの?」
「え?…あ!!」
そうだ…これ未来で聞いたことだった…!!
「え、あ、いや、、驚きすぎて声出なくって…!、」
「…」
「まぁいいや。
このこと知ってんのは俺とマイキーと場地、それから伊織だけだった。
一虎が黒龍とモメて助けるって時にこの話はみんなの足枷になると思ったからな。」
「俺は黒龍と揉める前、兄貴と話をつけたんだ。
2年前…かな?」
マイキーくんはそう言って真一郎くんとの会話の内容を軽く話した