第17章 Last chance
「ハァッ!ハァッ!ハァッ!!」
大丈夫…大丈夫!大丈夫!!!
「どうしたんですか?こんな時間に急に呼び出して…」
ナオトが…伊織さんが死んでるはずねえよ…!
きっと握手したら現代だ!!
大丈夫!!
「え、ちょ、何…」
ぎゅううう…
「っ!?」
「えっと…大丈夫ですか?タケミチくん?」
頼む…頼むよ…ナオト…!!
─橘ナオトです
─僕に協力してください
─喚いてなんになるんですか!?
─しっかりしてください!
貴方しかいないんです!!
いつも…こんなダメな俺の側にいてくれた
支え続けてきてくれた…
伊織さん…
─君も私に力を貸して
─何を考えているの!?
─ありがとう。君のお陰でみんな助かったよ。
─…君は強いね
そんな…死んでるなんて嘘だよな…
「嘘だって…言ってくれよ…」
いくらナオトの手を握っても、いくらナオトに縋って祈っても、いつものように手がパチリとなることはついぞなかった
嗚呼、本当に
本当に死んでしまったんだ
Last chance─最期のチャンス