第16章 Murderers
「…え?」
「ッゴフッ…テメェ…」
ドサッ
『ハァッ、ハァッ』
「伊織さん…?」
「いざ、な?」
伊織さんが発砲した弾はイザナの首に命中しており、血溜まりの中に頭を突っ込んだイザナはピクリとも動かない
「高宮ァ!!貴様…!!」
『っ!』
ドン!!
パン!!!
「アガッ…」
『うっ…』
イザナが撃たれたことで逆上した稀咲だったが、伊織さんが稀咲の懐に入るのが一瞬早く、稀咲は心臓を撃ち抜かれて倒れた
稀咲が打った弾も伊織さんの肩に着弾し、伊織さんも顔を歪める
「イザナ…高宮お前…よくもイザナを…!!!」
「あれは…カクちゃん!?」
「死ね!!高宮!!!」
『っ!』
ドン!
パン!!パン!
「っチッ!」
『…ぁ、』
ドサッ
「伊織さん!!」
「伊織さん…!?」
地面に倒れた伊織さんの体を見ると、最初に撃たれた左腹はもう周りの服も真っ赤に染まって膝まで血が垂れていた
二発目に右肩を撃たれたせいでもう右腕は上がらないようで、左手に持った銃では2発撃っても一発がカクちゃんの腕を掠っただけで、もう一発は外していた
それに対してカクちゃんの撃った弾丸は左胸を貫通していて、もう誰の目から見ても助からないのは明らかだった
「伊織さん!伊織さん!!」
「タケミチくんすぐに止血─ドン!!
「…ナオト…?」
ドサッ
「ナオト!?ナオト!!!」
「タケミチ…く、逃げて…」
「ナオト!!嘘だろ…カクちゃん!!?」
「マイキーが死にイザナが死に…高宮までも死んだ。
もう俺たちは終わりだ…
だからよぉタケミチ…お前も死ね」
ドン!!!