第16章 Murderers
「で、知りてえのは黒龍と黒川イザナについて。
それから天竺と東卍についてだったな?」
「はい。」
「黒龍と黒川イザナについてはまぁいいが、天竺と東卍のことはアイツらに聞け。
アイツらは当事者だ。俺なんかよりその辺は詳しい。」
「わかりました。
…黒川イザナって天竺の総長だった奴ですよね?
それがどうして黒龍の総長になって…さらに今東卍でって…もうわけわかんなくて…」
「ちょっと違うな」
「え?」
「順番が違う。
まぁとりあえず黒龍のことについて話そうか。」
『…』
大寿くんはそう言いながらまたもや高そうなタバコとライターを取り出して火をつける
…やっぱ持ってるモンも違うなぁ…
「俺が率いていたのは10代目、それはわかるな?」
「はい」
「そもそも、黒龍を創った人間が誰なのか知っているか?」
「創った人?」
「初代黒龍総長は佐野真一郎だ。」
「え!?」
「黒龍を創ったのはマイキーの実の兄だ。」
─兄貴は暴走族のトップだった癖に喧嘩が弱かった
─東京中の猛者達を先導する兄貴はいつでもキラッキラに輝いてた
「マイキーくんのお兄さんが黒龍の創設者…」
「本当なんですか?伊織さん」
『…』
「…だんまりか」
やはり肯定も否定もしないけれど、どこか雰囲気に少しだけ変化あったように思う
…でも…まさか黒龍にそんなルーツがあったなんて…
「初代黒龍は伝説だった。
そしてそれは二代目三代目と脈々と受け継がれ、八代目総長黒川イザナがそのバトンを受け取った。」
「八代目!?ってことは…大寿くんよりも前!!?」
「ああ」
確か東卍ができる時に潰したのが九代目…
ってことは…黒川イザナが率いた八代目は東卍ができる前だ…!!
「じゃあ黒川イザナは大寿くんより年上?」
「ああ。学年で言えばふたつ上。S62世代だ。」
「S62世代…」
天竺の奴らだ…
繋がってきた…!