第16章 Murderers

「ハァ…」




コイツは…




「世の中広いな。テメェみてぇなバケモンがいるなんてよ。」

「東卍にも骨のある奴がいるみてぇだな。
…楽しくなってきた！！」




川崎のモッチー…いつかスマイリー達から聞いたな…

天竺の奴らと鉢合わせた時、とりあえずいつものように伊織に報告上げたけど…入れ替わりできた場地からのメールでアイツがインフルらしいと知った
もう少しタイミングが早ければ…

伊織に送ったメールをドラケンにそのまま転送できればよかったんだが…もうそんな暇はなかった

そうなりゃ時間が長引く前にアイツらに共有して他のメンバーの補助に行かねえと…このままじゃ被害は冗談じゃ済まない

そう思いつつも目の前のバケモノをどう片付けるか、そればかりに頭を回らせていた





「オイ、モッチー」

「？」

「何一人で楽しんでんだ？」

「！？」





灰谷兄弟…！！？


ゾク…


まずい…




ガコン！！！





「三ツ谷取ーり！
卑怯だけど許せー」






やっぱり…2人とも揃ってやがったか…





「テメェら横からシャシャってきて人の獲物取ってんじゃねぇぞコラ！！」

「兄ちゃんはいつもいいとこ取りだよ。
ポーズ取るのも嫌い。」

「誰がやったとかどーでも良くね？
…東卍はそんな甘い考えで潰せるチームじゃねぇよ。
今はまだ中枢が機能してないから今のうちの速攻が大事。
高宮が動き出したら盤上はすぐ傾くぞ。」

「あ？」

「わかったら今日中に終わらせろ。」

「すぐ仕切る。」

「ふん！」





まずい…モッチーだけじゃなくて灰谷兄弟まで取り込んでやがる…
しかも灰谷の言う通り今は伊織が機能してねえ…
今日と言わずこれからしばらくその状況が続くかも知れねえってのに…

マジでやべえぞ…このままじゃ…