第16章 Murderers
「ゼェ…ゼェ…」
「ふ…もう無理だよぉ…立てねえよぉ」
「くそ…コイツらわらわら出てきやがる…」
「ハァッ…ハァッ…」
天竺…横浜ってことも関係あんのかもしんねえけど…過去でも未来でも聞いたことねぇチームだ
まさかコイツらがマイキーくんと伊織さんがああなったのに関係してんのか?
コイツらが東卍になんかしたのか?
「何が何だかわかんねぇだろ?」
「え?」
周りの奴らとは違って丈の長い詰め襟の特攻服を羽織るソイツ
「稀咲!?」
「…よう、ヒーロー。
関東事変を、始めようか…」
「ヒーロー?」
─じゃあな…俺の"ヒーロー"
そういえばコイツ…あの時も…!!!
「東京卍會参番隊隊長改め…天竺総参謀、稀咲鉄太だ。」
「天竺…総参謀…?」
「…」
「オマエそれって…東卍クビになってから速攻で天竺に乗り換えたってことか!?」
「…タケミっち。
テメェの脳みそで俺を測るな。
俺は"オレの東卍"を創る!」
「オレの東卍…?」
「マイキーもいつか、俺を認めるしかなくなるさ。」
何言ってんだコイツ…
それにヒーローって…
「稀咲ぃ!」
「っ!」
「そろそろ行くぞー?」
「半間!?」
「ああ。
…絶対絶命だな、タケミっち。
こんなところで終わるなよ?」
「…」
「また会おう」
その言葉を最後に、稀咲は半間のバイクの後ろに乗ってその場から去っていった
…何を考えてるんだ…?
天竺が東卍を狙う理由は稀咲がいるからなのか…?
「東卍ってよぉ…5つの部隊からなるんだろ?」
「っ!?」
「あと4つも同じ感じか?
チョレェな!東卍!!」
「千冬!!?」
天竺の兵隊の奴らから頭ひとつ飛び抜けたでかい野郎
黒い弁髪がそう言いながら千冬を投げて返す
…コイツも天竺の幹部か…!?
「新宿の方で弍番隊の奴とカチ合ったって連絡が入った!
俺はそっちに向かう!!
コイツらは2度と歯向かえねえ体にしてやれ!!」
「「うす!!」」
「いいか!鶴蝶の野郎が出る前にぶっ潰す!
手柄はぜんぶ望月隊が掻っ攫う!
テメェら!ここの後始末任せたぞ!!」
「「うす!!!」」
嘘だろ…?
俺たち5人に何人かけるんだよ…
こんなの喧嘩じゃなくてリンチじゃん!?