第16章 Murderers
ガコン!!
「いっ…!」
「逃げろ!タケミっち!!アッくん!!」
「千冬!!?」
「早くしろ!!」
「っ!…アッくん!乗って!!」
「う…」
千冬の声に弾かれるようにアッくんを背負って駆け出す
ダメだ…どっちにしたってここにいちゃみんなやられる…!!
「すまねえ千冬!!」
「大丈夫だ!俺もすぐ行く!!」
「待てやコラァ!!!」
「クソ…どうなってんだよ!?
急に…コイツら一体なんなんだよ!」
ギャーギャー言いながら走ったところで誰も答えてくれるはずなんてなくて、ただ俺の息が上がっていくだけ
…このままじゃ追いつかれるのも時間の問題…
「タケミチ!」
「っ!?」
「こっちこっち!!」
「早く入れ!」
「山岸!マコト!!」
「早く!鍵閉めろ!」
所謂雑居ビルに逃げ込み鍵を閉めるけど、扉の向こうではガラスを打ち破らん勢いで追いかけてくる奴ら
ダメだ…コイツら本気で破ってくるぞ…
「裏だ…裏から逃げよう!!」
「うん!」
「千冬は!?」
「後で来る!!
それよりなんなんだ…?アイツら!」
「ごめんタケミチ…俺のせいでこんなになっちまった…」
「え?マコトのせいって…」
「アイツら、横浜の天竺とか言うチームでさ。
なんでか分かんねーけど東卍狙ってんだよ。」
「天竺…横浜…?」
「俺が東卍の名前出したらいきなり襲われて…
そん時にアッくんが囮になって…」
「タクヤとは逃げてる途中で逸れちまった!」
横浜…
今まで東京中の不良のことばかりしか頭になかった
まさかの横浜…盲点だった…
確かにあそこも不良の聖地みてえな場所じゃねぇか!
天竺なんて名前は聞いたことねえけど…どんなチームだ…?
「タケミ…チ…」
「アッくん!?気がついた!!?」
「ハァ…天竺は、ヤベェ…
今日東京に天竺の兵隊300人が乗り込んできてるらしい…」
「は!?300!!?」
千冬がヤベェ…