第4章 Backtrack
ドンドン!!
「わぁっ!綺麗だね!!」
『本当、とっても綺麗…』
みんなで何も言わずに空を見上げる
キラキラと空を彩る華
上がって咲いて、枝垂れて消える
その流れがなんとも綺麗で、思わず誰もが見入ってしまうほどの魅力を持つ夏の風物詩
…幸せだなぁ
と、ふとエマの方を見ると、エマをとても優しい瞳で見つめるけんちゃんの姿が目に入る
その瞳の中には空に輝く花火が映り、キラキラ輝いていた
エマを挟んで隣の私の視線に気付いたからか、慌てて彼女から目を逸らして空に視線を向けるけんちゃん
…照れてる
空が暗くてわからないけど、きっと耳まで赤いはずだ
両思い、なのになぁ
…エマ、けんちゃん、、
2人はきっと、幸せな家庭を築くんだ
エマ、私は絶対にけんちゃんを死なせないから
けんちゃん、絶対貴方の口からエマに想いを伝えさせてあげるから
だから、絶対に変えてみせる…!
あの悲しい未来を…!!!
私はもう一度空の花火を見上げ、もう一方の隣の万次郎に顔を向けた
え…
すると、万次郎も柔らかい瞳で私の方を見ていて、思わず胸が鳴った
ゆっくりと瞬きをして、目を開けると、