第16章 Murderers
『…』
過去…か、
あの時、私の自殺を止めるためだけにこっちに強制送還された
別にこっちには銃がないだけで、死ぬ方法なんかいくらでもあるというのに…
暗い部屋に朝日が差し込んでくる
身体が気持ちが悪いほどに軽い
感情とは裏腹に健康的な身体が憎らしい
『…もう、どうでもいい…』
何も見たくない
何も聞きたくない
何も考えたくない
誰にも会いたくない
これ以上生きていたくない
…人を殺した私に、一体誰が何を求めるのだろう
視界に映る綺麗な手が疎ましい
この手は私の手じゃない
私の手はもっと硬くて、もっと跡が沢山あって、もっと汚くて、もっと、、、
─高宮、仕事だ
─伊織…
─サヨナラ
─ごめんな、伊織
…ここで死んだら…あの時の万次郎と同じところへはいけないのかな…
会いたい…逢いたいよ…万次郎…
やっと会えたのに…私だけ置いていくなんてひどい…
万次郎が置いていったりしたから…私は今、こんなところにまで飛ばされてきちゃったよ、