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ONE MORE CHANCE【東リべ】

第16章 Murderers


「今まで…伊織さんの記憶に頼りきりだったんだ…
ドラケンくんの時も…場地くんの時も、黒龍の時も…」

「…」

「でも…マイキーくん、伊織さんの腕の中で死んだんだ。
マイキーくんの手が冷たくなってく感覚…まだ俺の手にも残ってる…
そしたら伊織さん…自分の頭自分で撃とうとして…全然躊躇いとか何もなくて…」





グズグズと泣きながらしゃくり上げるように言葉を紡ぐ相棒
…そりゃ、目の前で人が死んで、さらに自殺なんか見た日には精神のひとつやふたつ壊れるわなぁ…





「千冬ぅ…辛えよぉぉ…悲しいよぉぉ…」

「…」

「これからどうしたらいいんだよ…もうわかんねえよ…」

「…きっつい未来だったんだな」

「…うぅ…」

「でもさ、俺は正直嬉しいよ。」

「え?」

「だってまた会えたじゃん!
ほら、もう会えねえと思ってたからさ!」

「千冬…」





さぁ、ここでウジウジやってても仕方ない
問題は色々あるけど、俺は前からずっと考えてたんだ






「俺さ、なにをすればいいのかなんとなく分かる気がする」

「え?」

「マイキーくんをぶっ飛ばす!!」

「…は?何言ってんだお前…
殺されるぞ?」

「うん。殺されたんだろ?俺」

「いやそうじゃなくて…」

「だってムカつくじゃん。
黙って殺されるなんてさ。
…マイキーくんは強すぎるから、本気でぶつかってくれるやつがいなかったんだよ。
伊織さんはマイキーくんの意志の向くままって感じだし。」

「…」

「だから、本気でぶつかれる奴はきっと、俺ら東卍しかいなくね?」





妥協とかなしに、思うことしっかり伝え合えるのはきっと俺らしか居ないと思うんだ
俺がそういうと、相棒はスッキリしたような顔を向けた





「ありがとう。千冬。なんか吹っ切れた。」

「ああ」

「マイキーくんはなんか強すぎて、俺たちとは別次元の人なんだって、もう何もできないんだって思ってた。」

「ハハ、まぁ分かるわ」

「でも、そうじゃないよな…
あの人は"仲間"なんだ。
伊織さんは側にいる選択をしたけど、そこにぶつかり合うって選択肢もあっていいよな」





雨で濡れた前髪を鬱陶しそうに上げながらさらに相棒は続ける
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