第16章 Murderers
ガン…!!カシャン…!
「ッ!ハァッハァッハァッハァッ…」
「大丈夫ですか!?タケミチくん!!!」
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、、」
なにが、起こった…?
『んぅ…まん、じろ…?』
「タケミチくん!!」
「…ナオト…?」
ナオトがこちらに駆け寄ってくる姿が目に入る
そしてその右手に握られているのは、細い煙が上がっている拳銃…
『ッ!!!万次郎…!!!?』
「マイキーくん!!?」
視線を下に向けると、そこには頭から血を流して倒れたマイキーくん
彼を抱き起こそうとすると、横からさっきまで瓦礫の上で眠っていたはずの伊織さんがいち早く彼の頭を抱く
『万次郎っ!?ねぇ!!万次郎!!
何が…万次郎!起きて!!!万次郎!!!』
「マイキーくん!!!」
「タケミチくん!近寄っちゃダメだ…っ!
安全装置…殺す気はなかったのか!?」
『万次郎!お願い…目を開けて…
置いていかないで…!』
「マイキーくん!!」
震える腕で彼の頭を抱え、何度も何度も呼びかける伊織さん
俺もその隣で力の抜けた手を握りながら涙で顔が濡れることも構わず呼び続ける
「…橘ナオトか…」
「!」
「…ありがとう。たぶん…タケミっちには無理だったから…」
「マイキーくん…」
「…伊織…今起きたのかぁ…
はは、タイミング悪…」
『万次郎…?』
「…ごめんな…勝手に自分だけ……」
『嘘…うそ、よね…?そんな…』
「…なぁ…伊織、、、
俺たちの人生…苦しみだけだったな…」
『万次郎…いや、置いていかないで…1人にしないで…
ずっと側にいるって!言ったのに…!!』
「…ごめんな…」
『ねぇっ!!』
「マイキーくん!そんなこと言わないで…
そうだ!俺たち変えられるから…」
「タケミチくん?」
「俺たち、過去に戻れるんだ!!やり直せる!
こんな風にならないようにまたおれと伊織さん頑張るから!!
絶対ぇ絶対ぇ諦めないから!!
だから…そんな悲しいこと言わないで…」
マイキーくんの手を額に当てながら祈るようにそう言う