第16章 Murderers
「…そんな目で俺を見るな…!!!」
マイキーくん…
目の奥からじわりと滲む涙が彼の瞳をキラキラと縁取る
それはふたつ、みっつと繋がると、重みに耐えられず俺の頬へと落ちてくる
暖かいその雫は彼の心のように感ぜられ、俺は目を逸らせなかった
「銃を拾え。タケミっち。
俺が死ぬか、お前が死ぬかだ。」
「…」
「…」
マイキーくんはそう言うけれど、俺は決して銃に手を伸ばす気にはなれなかった
いくら強く銃口を押し付けられても、引き金に掛けた指に力が篭ろうとも、俺の体はピクリとも動かなかった
「…」
「…」
しばらくそうしていたが、マイキーくんは痺れを切らしたように体を持ち上げると、すっかり光が落ちきった目を向けて口を開く
「…あの頃は取り戻せない」
ドン!!!