第16章 Murderers
「マイキーくん!!」
「…」
マイキーくんだ…!
髪は短く、黒くなってるし、左の首には龍のタトゥーが入ってる
でも…マイキーくんだ!!
「あの…えっと、元気、でしたか?」
「…うん」
「あ…あの……グスッ」
「ふっ…泣き虫は相変わらずか?」
「へへ…すみません」
やっとだ…やっと辿り着いた…!
やっと、未来のマイキーくんに辿り着いたんだ…!
感動して溢れる涙を拭う俺を穏やかな視線で見下ろしながら、マイキーくんは静かに話し始めた
「ここにわざわざ呼んだのは"頼み"があってね。」
「頼み?」
「…ここに来て兄貴のこと思い出してたらさ、いろんな想い出が溢れてきて…
…ガキの頃はいろんな奴らと殴り合って分かり合って笑い合って…偶に失敗して…そうやって東卍は大きくなっていったんだって、懐かしくなっちゃった。」
「マイキーくん…」
会ってみて確信した
やっぱりマイキーくんはマイキーくんだ!
三ツ谷くんを…みんなを殺してるはずない!!
あの東卍のマイキーくんが殺すはずない!
マイキーくんはゆっくり立ち上がり空を仰ぐと、一度目を閉じさらに言葉を続ける
「…東卍は変わっちまった。」
「え?」
「タケミっち…」
「…」
「なんで東卍を出ていったんだよ…」
「俺…?」
「一緒にいて欲しかった。
兄貴のように…叱って欲しかった。」
「え、」
「…なんとか俺たちだけで頑張ったんだ。
でも…抑えられなかった。
俺が俺でなくなることを。」
「マイキーくん…?何言って…」
「…東卍を出て行くお前を引き止めようとした俺に、ケンチンはこう言った」
「…」
マイキーくんはその時の様子を思い出すように息をゆっくり吐いて語り始めた