第16章 Murderers
「タケミチくん。僕も真実が知りたい。
佐野万次郎のことは全く知らないが…今までの伊織さんなら人殺しなんて有り得ない。
しかも今回はこれまでで初めて伊織さんの名前が正式に東京卍會の一員として刻まれてる。」
「…」
「僕も彼女たちに会って話を聞きたい!
それができるのは君だけです。
東卍元幹部でありながら唯一殺されてない、君だけなんです!!」
本当に…みんな死んで…
本当にもう、俺だけしかいないのか…?
「でもナオト…本当に2人が殺したのか?」
「…現場に残っていた数々の証拠から警察はそう確信しています。
現状証拠しかないことには変わりないですけど…
…現に三ツ谷隆の首からは2人の指紋が検出されています。」
「そんな…」
「でも隠そうとした痕跡すらなかった。
妙なところは多々ある…タケミチくん、何か心当たりはないですか?」
「え?」
「今回のタイムリープで手に入れた情報。
その中に必ず手がかりはあるはずなんです!
少なくとも過去で君達2人が何かした事で、今が大きく変わったんです!!」
「俺たちがした事って…俺たちが失敗したって事か!?
だって…俺たちは過去で東卍を狂わせてた存在を全部排除できたんだぞ!?
稀咲は追放!黒龍は潰した!
しかも伊織さんは留学を取りやめてマイキーくんの側に居続けた!!
全部上手くいったはずなのに!!!」
「タケミチくん…」
「何がいけなかった…?」
この写真を撮った時だって…みんなこんなに笑っていたのに…
「タケミチくん、その写真どこにあったんですか?」
「どこって…そこのコタツの上に…あ!!」
手紙の下に隠れていたのか、封筒が写真のあった場所に置いてあった
この写真…この中に入っていたんだ…
「その手紙、ちょっと見せてください!!
消印…日本じゃない!フィリピンだ!この手紙、誰が出したんですか!?」
「この字…この英語の字…!伊織さんの字だ…!」
「え!?」
「間違いない!この癖のある筆記体!!
でも手紙の日本語の字は…」
【1月20日、いつか話したあの場所で】
マイキーくんだ…!