第4章 Backtrack
「あ"ーもう無理」
「疲れた…」
「喧嘩より無理…死ぬ……」
『うん、よく頑張りました
3人ともお疲れ!』
とりあえず一通りの科目、赤点だけは避けられるように教えたつもりだ。
エマとけんちゃんは良いとして、万次郎はほとんど授業聞いてないから最初から教えないといけなくて苦労した。
でも、やっぱり万次郎は天才肌だ。
スポンジみたいに知識を吸収していく。
ドン!!!
「きゃあ!」
『っ!!!』
急に大きな音と共に、空が明るく光った。
『っ、何!?』
「あ、花火だ」
「あー、、、そういや花火大会あるとか言ってたなぁ」
と、最初の一発目を皮切りに、ドンドンと音を立てながら次々に空の色が変わってゆく
「エマ、きゃあつったな」
「もう!ドラケン!!」
「そんなに驚いたのか?まさか怖いとか言わねぇよな?」
「っ、怖くないし!ちょっとびっくりしただけだし!!」
「伊織もビクッてしてたね?」
『…そんなことない』
「ならこの手、何?」
『あっ!』
私は咄嗟に万次郎の甚兵衛を掴んでいた
指摘されて慌ててその手を退ける
「なに?照れてんの?」
『うっさい!!』
「素直に言えばいいのに〜」
そう言われると余計に恥ずかしくて、顔が熱くなっていくのを感じる
「あ!そうだ!!エマ、ケンチン、伊織、屋根上って見よ!!
そっちの方が綺麗に見れそう!!」
「お、いいな!」
「よし!そうと決まれば!!
とりあえず庭行くぞ!!」
私たちはサンダルを引っ掛けて少し涼しい庭に出た
日中頑張って勉強したご褒美
最近気を張ってたご褒美
少しだけ息抜きしてもいいよね?