第16章 Murderers
「ふぅ…いや、汚っ!」
コンビニで適当にビールとつまみ、それからお菓子と弁当を買って家に帰ると、積み上げられたゴミ袋がお出迎えだ
…久々のこの感じ…でもなんだかどこか落ち着くな
とりあえずいつもの習慣でテレビを付けてコップに注いだ水を飲む
なんとなくでチャンネルを回し、当たり障りのないニュースで手を止める
しばらく休憩がてらぼんやりと画面を眺めていた
「今日未明他殺体と見られる遺体が都内で発見されました。
発見された遺体は暴力団である東京卍會の幹部三ツ谷隆さんのものと見られており…」
「…え?」
今…なんて…?
ピンポーン
「タケミチくん!僕です。ナオトです!」
ガチャ…
「ここに居ましたか…」
「ナオト!!」
「わっ!」
ナオトの声が聞こえた瞬間、汚い部屋の中で足がもつれそうになりながらドアを開ける
驚いて声を上げるナオトにお構いなしに肩を掴むと縋るように問いかけた
「…今三ツ谷くんが死んだってニュースで…嘘だよな…?」
「…三ツ谷隆…ですか、、、」
「そんな訳ねぇよな!!?だって三ツ谷くんは…」
「いえ…確かに今朝彼の遺体は発見されています。
首を絞められたことによる窒息死。いわゆる絞殺です。」
「そんな…」
思わずその場に崩れ落ちる
と、積み重なった書類からチラリと最後に撮った集合写真とヒナの写真が見えた
そうだ…
「ヒナは!?ヒナはどこにいる…!!?」
「…姉さんも前の世界と同様、後ろから追突されて亡くなってます…」
「嘘だろ…?」
なんで…なんも変わってねえじゃん!
また同じだ…!
どうして…どうして!!!
「追い討ちをかけるようで申し訳ないですけど…今までタケミチくん達は姉さんを助けるために何度もタイムリープを繰り返して来ましたね。」
「ああ」
「今回のタイムリープはこれまでで最悪です。」
「…」
「姉さんが助かっていないことはもちろん、東京卍會の主要メンバーは全員、殺されました。」
「は…」
殺された…?