第16章 Murderers
パチン!
「ここは…」
目の前にはDVDの棚
腕の中にはDVDの山
俺ここ本当好きだなぁ…
「店長!」
「ふぇっ!?」
「お電話です…って、まだそれやってたんですか?」
「あ、えっと…」
「はぁー!もうそれ私やっとくんで!早く電話行ってください。」
「ご、ごめん…」
「ったく…上司が使えないと部下が困る…」
そうぶつくさ文句を言いながら俺の手の中からDVDを分取ると迷いなくケースに入れて棚へ戻していく
反社の大幹部からまたレンタルショップの店長か…
ってことは…
電話対応を終えてポケットの中身をチェックする
やっぱり…
「夢のタワマンだったなぁ…」
入っていた鍵はあのボロアパートの鍵
タワマンのカードキーなんかはどこを探してもなさそうだ
あと少しで定時のはず…ナオト達の連絡先変えてないと良いけど…
「あー!店長またサボってる!」
「やべっ!」
「本当、仕事できないんだからサボる時間ないですよねー?店長〜」
「スンマセン…」
「こんな大人にはなりたくないわー」
そんな…そこまで言わんでも…
でも図星でもあるのでただごまかしの笑顔を浮かべて時間が過ぎるのを待った