第15章 Merry X'mas
「で、兄貴が部品集めて完成させたのが俺のバブ。」
「もう一個のエンジンずっと放置されたまんまだったから、俺とマイキーで部品集めて、伊織にも見てもらいながら組み立てたのがコイツだ。」
『まぁ私は本当に見てただけだけどね』
「それでも機械の仕組みとか色々調べてくれたろ。」
3人は完成させられたのが本当に嬉しそうで、お互いにその頑張りを讃えあう
でも本当に凄いなぁ
エンジンだけからスタートしてここまで仕上げられるなんて…
しかもマイキーくんのバイクと双子なんて…
「なんかロマンがありますね!」
『でしょ!』
「だから、オマエにやる」
「…え?」
やるって…俺に…?
「東卍の壱番隊隊長が単車持ってねえとかカッコつかねえだろ?」
『そのために今日呼んだんだもの。
大丈夫!自転車乗れるならちょっと練習したら絶対乗れるから!』
「え、いや、でも…こんな大事なバイク俺なんかが…」
「飾っとくにはもったいねえだろ?」
「すっ…すげえじゃん!!タケミっち!!」
「えっ!…あ、伊織さん!伊織さんは乗らないんですか!?バイク!」
『えー、私?
乗れない訳じゃないけど…私の特等席は万次郎の後ろだから♡』
「ほら!いいから乗ってみろよ!!」
マイキーくんたちに促されるままハンドルに手をかけて道路に運ぶ
…バイクか…
12年後の俺ですら乗ったことないし、車の免許も持ってない俺だけど大丈夫か…?
「エンジンかけてみろよ」
「え?どこですか…?」
『そっから?』
「よーし、じゃあ俺がレクチャーしてやろう。」
『あ、待って!
初めてなら2人とも最初くらいヘルメット被って行って!』
「は、はい!」
「えー、いる?」
「まぁマイキー、タケミっち鈍そうだし一応最初だけ被っとけ。」
「相棒要領悪そうだもんなぁ」
「うっせ!」
不安ではあるけど、よくよく考えれば千冬もマイキーくんたちも中学生で無免許だ
みんな割と当たり前のように乗ってるならまぁ俺もすぐできるようになるだろう
そう思って伊織さんから受け取ったヘルメットをマイキーくんと被る
「じゃあしゅっぱーつ」
「はい!」
俺はアクセルを捻ってゆっくりと発進した