第15章 Merry X'mas
『それに…』
「ハァ…ハァ…」
『それに、東卍に闇が落ちないようにするために私はここにいる。』
「…あ?」
『例え貴方の言う闇が東卍に生まれてしまったとしても、それは私が対処する。
…どちらにしても、貴方は必要ないのよ。
東卍にも、万次郎にも。』
「っ!」
伊織さんは瞳に写った怒りを収め、次は冷えた色の目で稀咲を見る
稀咲はギリッと歯を食いしばり拳を握りしめる
と、マイキーくんが伊織さんの肩に手を置いた
「伊織、もういい」
『…ええ。』
「…稀咲、お別れだ。
俺たちは俺たちのまま進み続ける。」
「っ、マ、マイキー…!!!!」
稀咲はマイキーくんの背中に叫びながらその場に崩れ落ちる
マイキーくんはその姿を一瞥もすることなく伊織さんと共にその場から去っていった
「これで集会は終わりだ!!
解散だ!解散!!」
「「「ウッス!!」」」
…稀咲が追放された…!?
まさかこんな一瞬でカタが付くなんて…
でも、これって全部問題解決したんじゃ…?
いまいち現実味がわかないけれど、諸悪の根源である稀咲を排除できたということはもう全てのミッションが解決したようなものだ
結局、最後まで伊織さんに頼り切りだったなぁ…
そんなことを考えながらちょうど半分に割れた月を見ながら帰路に着いた