第15章 Merry X'mas
「対黒龍の戦い…
八戒を救えただけでも苦労した甲斐があったな!」
「うん!」
千冬がそう隣で小声で言う
本当にそう心から思っていたところだ
「さて!2人目は!!乾!前へ!」
「!あれ…」
「黒龍の…火傷野郎!!」
白い黒龍の特攻服を身につけて壇上へ上がった2人
その顔は見覚えのある2人だった
「11代目黒龍、乾青宗だ。」
「同じく九井一だ。」
「11代目って…」
「黒龍潰れたんじゃねぇの…?」
再びザワザワとみんなが声を漏らす
先ほどとは違う、明らかに警戒が滲み出る雰囲気だ
俺も千冬も例外ではなく、無意識に身体が強張る
「10代目黒龍は東卍に負けた。
総長である柴大寿は引退。俺らは11代目として黒龍を継いだ。」
「…そしてマイキー達と話し合った結果、俺たちは東卍の傘下に降る事にした。」
「え、」
つまり…まだ黒龍は死んでいなくて、芭流芭羅の時のように東卍に吸収するってことか…?
それって…つまり…どうなるんだ…?
いまいち情報処理が追いつかないが、マイキーくんがスッと一歩前に出て口を開くと、あたりはシンと静まり返った
「黒龍は壱番隊─つまり隊長代理である花垣タケミチの下に着く。」
「え!?」
「…」
心臓が変な音を立てる
俺の下って…俺があいつら2人を御すってことか…!?
「いいな!?タケミっち。」
「え、ぁ、あの!黒龍が俺の下につくって…なんで…
それは一体誰の判断なんですか!?」
『私よ。何か不満かしら。』
「は!?伊織さん!?」
さらりと言ってのけるけど…なんで…
そもそもなんで未来でも悪の巣窟だった黒龍なんか東卍に入れたんだ…!絶対裏があるに決まってるじゃん!!
「元々ウチの人事は伊織に一任してる。」
『まぁ、今回のは最終的に私が決めただけで、君の下に着きたいっていうのは2人自身の希望よ。』
「えぇ…」
ドラケンくんと伊織さんの言葉に思わず不満のような声が漏れる
黒龍の2人は階段をゆっくり降りると俺たちの前で立ち止まった