第15章 Merry X'mas
それからはあっという間に日々が過ぎ去った
クリスマスの後は病院で治療を受けたかと思えばしばらくは絶対安静
それが終わると通院しながら溜めまくっていた冬休みの課題に追われ、気がつくともう大晦日
約束していたヒナとの初詣デートの日だった
「わー!すごい人の数だね!」
「本当だ!
三ツ谷くんとか来てるかな!」
絶対安静の内にみんなから貰ったお見舞いのメール
三ツ谷くんのメールには八戒も柚葉も快方に向かっていて、新年には治るだろうという旨や、毎年東卍のメンバーは大抵武蔵神社で年を越すということも書かれていた
…そういえば千冬とかドラケンくんとかからはメール来てたけど伊織さんからは一回も連絡なかったな…
まだ怒ってるのかな…
「タケミっち!」
「あっ!!」
「七五三みてえな着こなしだな」
「うーす!」
「三ツ谷くん達!
あれ?もしかして2人が噂の妹ちゃん達…?」
三ツ谷くんに連れられて来た2人の女の子
三ツ谷くんとそっくりだ
「いくつ?」
「子供扱いすんなよアホ面」
「アホ面」
「…え?」
なんて…?
「美人すきー♡」
「すきー♡」
「わっ!」
「…え?」
アホ面…?美人好き…?
あの歳で…!!?なんちゅうことを…!
「ちょっと三ツ谷くん!?どういう教育してんすか!!?」
「ハハ、悪い悪い」
「ふふ、柚葉ちゃんたちはもう怪我平気?」
「うん!もう完治!」
「…」
「お姉ちゃん手繋いで!」
「うん、いーよ。」
「マナも!マナも!!」
「こら!俺のヒナだぞ!!?」
「お前…よくそんな恥ずかしいこと声荒げて叫べるな…」
「しかもまだ子供に…」
う、、、咄嗟に出た言葉だったとはいえ、正論が心に刺さる…
でも最近色々あってヒナとこうやって過ごすのも久々だった
「せっかくのデートなのに…」
「悪いな、タケミっち。
まぁ、デートなんてこれからいつでもできるだろ?」
…まぁそうだけど…
肩を落としながら前のヒナを見つめる
笑いながら三ツ谷くんの妹ちゃんの相手をするヒナ
子供に優しいヒナを見れたと思って、今回は我慢するか…
次は必ず2人きりのデートをする
そう固く決意し、俺は大きく息を吐いた