第15章 Merry X'mas
「お前は強い。」
「ぇ…」
「本当に大切なことは、喧嘩に勝つことじゃねぇ。
自分に負けないことだ。」
自分に…負けないこと…
「お前は弱ぇのに誰にも屈しない。
あの黒龍にすら屈しなかった。
…挫けそうなとき、俺が俺でなくなりそうな時、俺を叱ってくれ。タケミっち。
…兄貴のように。」
マイキーくん…
「もちろんです!!!」
「…頼む。」
力強くそう言うと、マイキーくんは柔らかく笑ってそう言った
今まで何もなかった俺にここまで曝け出して頼ってくれる
それもあのマイキーくんが
その現実がどうしようもなく嬉しくて堪らなくて、俺は浮かれていた
その言葉の裏に隠されたまだ子供の彼の叫びに気付かぬまま、俺はただただ馬鹿みたいに涙を浮かべていた