第15章 Merry X'mas
「初詣」
「え?」
「連れてってよ」
「仲直り」
「っ、ヒナぁぁぁ!!」、
「わっ!もう…泣かないでよ〜」
タケミっちはさらに号泣し始めてヒナちゃんの足元に座り込む
ヒナちゃんはその様子を呆れたように笑いながら見ているけど、その目には暖かさがちゃんとあった
「グスッ…」
「ん?」
「よかったねーヒナぁぁ」
「…なんでエマが泣いてんの?」
「グスッ…マイキーにはわかんないし!」
グシグシと泣きながら涙を拭うエマ
…本当になんで泣いてんだ…?
「…女に弱くて喧嘩も弱くて、でもいざって時には頼りになる。
本当、あの人みてぇだな。タケミっちは!」
「…ああ!」
昔よく見てきたあの姿とよく重なる
「…」
しばらくそうして2人の様子を見ていた
少しして2人とも落ち着いてくると、俺はゆっくり2人に近づいた
「タケミっち!」
「はい…」
「ちょっと一緒に走ろうよ」
「…え?」
「いいからいいから!
ケンチンエマよろしく!
ヒナちゃんちょっと借りるね〜!」
「はーい!
連れてきてくれてありがとうございました!」
「怪我人なんだからあんま連れ回すなよ〜」
「わかってるって!」
「え?マイキーくん!?」
タケミっちの手を引いて止めてあったバブのところまで連れて行く
…タケミっちは本当に不思議だ
今までの姿を見て思ったんだ
コイツには話しておこうって
伊織にもケンチンにも頼めないこと
俺のことを大して知らないタケミっちだからこそ頼めること
すげえ勝手だけど…お前に託したいんだ
アイツらには、もうこれ以上頼れないから