第15章 Merry X'mas
「なら、俺が伊織と残るよ。」
「三ツ谷…?」
「大寿の傷診たらちゃんと伊織送ってくから。
それならどうだ?」
『たかちゃん…』
「まぁ三ツ谷がいるなら…」
「やだ!俺が残る!!」
ドラケンと場地は納得したようにそう言うが、マイキーはまだ駄々をこねている
すると伊織がマイキーの前に立ってその頬を両手で包んだ
『万次郎、大丈夫。
危ないことはもうないわ。』
「でも…もし仕返しされたらどうすんだよ…」
『そのときはたかちゃんに守ってもらう。
まぁないとは思うけど…』
「なら俺が…」
『万次郎はヒナちゃんとエマと約束したでしょう?
それは守らなきゃダメ。』
「…」
『応急処置だけだから…ね?』
伊織がそう言うと、まだブツクサ言ってはいたがなんとか納得したらしい
「いいな、もし反撃されたら傷口かっ開いてやれ。」
『そんなことできるわけないじゃない。』
そんな物騒な言葉を残して、最終的にドラケンに引き摺られるようにしながらマイキー達は教会を後にした
静かになった教会で、まずは八戒の治療を始める
背後で黒龍の幹部達が大寿に一言二言言葉をかけながら去っていった
「…伊織さん…すみません」
『なにが?』
「俺のせいでこんなことになって…俺の嘘としょうもない虚勢のせいで…」
『もう済んだことじゃない。
それに、不良なんてもともとカッコつけたい男の子達の集まりよ?』
「…」
『でも…ただのカッコつけで終わるのか、本当にカッコよくなるのかっていう違いが時代を作れる人かどうかを分けるんだと、私はそう思う。』
伊織はそう言いながら包帯を巻き終えると八戒の背中を押した
『さ、、、これから君がどうなりたいのか、君がこの件で何を得たのか、未来に期待しているわ。』
その言葉を聞くと、八戒は入り口でまだ座り込んでいる大寿に少しだけ何か言葉をかけて出ていった