第15章 Merry X'mas
「へぇ…素敵な出会いだね。」
「うん。
あの時は言えなかったんだけど…伊織の髪も綺麗だってあとから言ったんだ。
そしたら、じゃあ伸ばしてみようかな、って言って…それから伸ばすようになったの。」
とは言っても…結局言ったのは小学校高学年くらいだったような気がするけど
「でも私もそう思うよ。
エマちゃんの髪綺麗。」
「へへ、ありがとう。」
みんなとは違うこの髪や目、そして名前
これに自信を持てたのは紛れもない2人のお陰だ
「ウチが小学校4年生…いや、5年生くらいだったかな…
マイキーと伊織が初めてドラケン連れてきたの。
最初はデカいしスミ入ってるし怖いな、って思ったんだけど、すごく優しくて荒っぽくなくて…
なんていうか、気がついたらドラケンが来るのを楽しみにしてる自分がいて…」
「好きになっちゃったんだ〜」
「//」
ヒナがニヨニヨしながらこちらを見つめる
…ウチ急に何言ってんだろ…
「も、もう!ウチらの話はこれでおしまい!!
次ヒナ!!ヒナとタケミっちの話聞かせてよ!!」
「え!そんな急に!?」
「ほら!ウチ話したんだから順番!!」
パタパタと被っていた帽子で熱くなった顔を仰ぐ
雪だというのに熱くてたまらない
「私とタケミチくんの話か…」
「うんうん、聞かせてよ!」
今度はみるみるうちにヒナの顔がピンクに染まる
…こんなにかわいい子手放すなんて、タケミっちはバカだなぁ
誰になんと言われたって、これからどんなことが起こるとしても、絶対に手放して欲しくなんかない
恋してる女の子ってのはそんな生き物だ
やっぱ女心、わかってないなぁ
そんなことを考えながら、2人で恋バナに花を咲かせた
自分達の大好きな人のお迎えが来るまで、ただひたすらに頭にその人を思い浮かべながら