第15章 Merry X'mas
「…ドラケンくんもきっとエマちゃんのことすごく大事に思ってるよ。」
「え?」
「だってドラケン君だよ?
きっと私たちが知らないところで誰よりエマちゃんのこと見てるはずだもん!
そうじゃなきゃマイキーくんや伊織さんが黙ってないだろうし…」
「どういうこと?」
マイキー達が黙ってないって…?
ヒナの言うことがさっぱりわからなくて首を傾げる
「エマちゃんに中途半端なことしてる人がいたらすぐマイキーくん達が一掃してるってこと!
タケミチくんが言ってた。
2人がドラケンくんに何もしてないってことは、ドラケンくんはエマちゃんのこと全力で大事にしてるって2人に認められてるってことだよ!
エマちゃん、マイキーくんと伊織さんが1番大切にしてる宝物なんだもん。」
「それは…」
「エマちゃんのこと好きになるって、多分相当ハードル高いことなんだろうな…ってずっと思ってた。
マイキーくんと伊織さんが誰より守ってきたんだし…
それでも2人のそばにずっといながら信頼勝ち取って、頼りにされて…ドラケンくんはとってもすごい人だよ。
そんなドラケンくんがエマちゃんのこと考えてない訳ない!」
急にそんなこと言われるなんて思わなくて、顔に熱が集まるのを感じる
…そう、なのかな…
自惚れてもいいのかな…
「…じゃあ、もう少し…待ってみようかな…」
「うん!絶対エマちゃんは幸せになれるよ!!
だってあの3人がついてるんだもん!!!」
ヒナはキラキラした笑顔でそう言う
…ウチの大好きな3人
その笑顔が脳裏に浮かぶ
「…伊織とマイキーにも…幸せになって欲しいな…」
「あの2人のことは私はいまいちよく知らないけど…昔から仲よかったの?」
「うん。
ウチがママから佐野家に預けられた日には、もう伊織は側にいた。」
毎日寂しくて堪らなかったあの頃のことがずいぶんと昔のことのように感じる…