第15章 Merry X'mas
「日付変えちゃうかもだけど連れてくるってさ」
「でも…今タケミチくんに会っても何も言えない…泣いちゃうかも…!」
「別にいいじゃん!泣いたって!!
好きなんでしょう?」
「そうだけど…」
「だったら絶対ちゃんと言わないと後悔する!
ほら!ヒナん家の前集合なんだから一旦帰るよ!!」
「ええっ!」
ヒナの手を掴んで少し強引に連れ帰る
マンションの前の公園のベンチに座り、ぼんやりと雪を見ながら話す
「…タケミチくん…本当に来るかな…」
「来るって!マイキーもドラケンも伊織もいるんだよ?
来ない訳ない。」
「…いざ会ったら…なんて言えばいいのかな、」
「…」
ヒナは膝の上で握りしめた両手に視線を落とし、自嘲気味に笑いながら呟く
…何を言うかなんて、そんなの決まってる
「言うことなんて、ひとつしかないじゃん!」
「え?」
「まだ私のこと好きなら別れるなって、そんなに簡単に手放すなって、ガツンと言ってやんなきゃ!!」
「そんなこと…!」
「タケミっちは優しすぎんの!
たまには強気に出なきゃ行けない時もあるって教えてやんないと!!!」
「そんなストレートに…」
あわあわとヒナは慌ててるけど、そんなところもやっぱりかわいい
タケミっちには勿体ないくらいだ
「…せっかく両思いなんだから。
言いたいこと言わなきゃこれからやっていけないよ。」
「エマちゃん…」
「あーあ!ウチもドラケンとそんな話してみたいな〜!
今日もマイキーと伊織とバイクで走るって…」
そう自分で言ってちくりと胸が痛む
…ヒナは少し拗れてもタケミっちと両思いだし、伊織はマイキーと一緒に過ごしてるし、なんならドラケンも一緒だし…
どうしても少し2人に嫉妬してしまう