第14章 Choice
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『圭くん、2人のことが心配なのは私も同じ。
大丈夫だから…どうか焦らないで。』
「…わかった」
少し拗ねたような、納得はしてないような、そんな声色で返事をする圭くん
やはり誰よりも仲間思いの彼の性質が現れる態度に思わず笑みが溢れる
「ああそうだ。
アイツらの予定に動きがあったぞ。」
『!内容分かる?』
「ああ。千冬の携帯に稀咲からメールが来てた。
イブの夜に駅の裏の喫茶店で作戦会議だと。」
『イブの夜…』
「それまではアイツらが直接会う予定は無さそうだ」
『そう…ありがとう。
また何かわかったら教えて。』
「おう。」
ピッ
『…思った以上に手強いなぁ…』
圭くんとの通話を切った後の携帯を閉じながらそう宙に呟く
イブの夜まで会わない
つまり、それまではどう足掻いたって彼らの当日の動きが読めない事を意味する
稀咲のことだ、きっとイブまで誰にも言わずに自分の頭の中だけで当日の作戦やらなんやらは留めておくつもりだろう
どうやら私に対する警戒は大して削がれていないらしい
…少し、面倒なことになったな…
『…ていうか、千冬くんはともかく、、、タケミっちはもう少ししっかりして欲しいんたけど…』
この先の未来を大きく変える、たった1日の動き
その作戦を前日まで確認しない
…普通に考えておかしいだろう
あの未来を見てきたなら尚更
稀咲と組むのなら、せめて手綱は自分が操るくらいやって欲しいところだ
全て稀咲の作戦を鵜呑みにするのは最悪の手だろうに…
『これは…クリスマスが明けたらまたお説教だな…』
すぐ頭に血が昇るところと計画性が皆無なところ
この2つは彼にとってすぐ直すべき短所だ
特にこんなことをしてる今なら
『…後悔してからじゃ、遅いものね』
私はそう呟くと身体をベッドに横たえ、ゆっくりと目を閉じた