第14章 Choice
「三ツ谷も誘ったんだけどよー、妹達が友達とクリスマスパーティーする準備あっからって断られちまった。」
「アイツも大変だよな〜」
『…』
多分、嘘だ
確信に近いもの感じながら私はそう直感する
「俺らも手伝い行くかって言ったら、怖がられて泣かれるからいいってさ。」
「まぁマイキーとかはともかく、ドラケンは怖がられる要素しかねぇしな…」
「ハハッ!言えてる!」
…やっぱり
いつものたかちゃんなら、誰かに頼む筈だ
「八戒になんかあったときルナ達置いて行けねえから手伝ってくれるか?」って、
周りをしっかり見れるたかちゃんならきっとそうする
こんな混沌とした時期に1人で自分の手が離せないようなことをする筈がない
つまり、ルナ達のパーティーなんて最初からない
誰に頼らなくても1人で動ける状態にあるんだ
【関東地方は明後日から寒気に覆われ、クリスマス付近の予報は雪になりそうです。】
「お、クリスマス雪だって」
『ホワイトクリスマスね。』
「なんだ?ホワイトクリスマスって」
「場地そんなことも知らねーの?」
街の大きな電光掲示板から流れる天気予報
…へぇ…12年前のクリスマスって雪だったんだ…
記憶の中では全然覚えてなかったけど、なんだかこうして過去の不変なものを眺めるのは不思議な感じがする
12年後の—現代のクリスマスの天気はどうだろう…
晴れてるのかな、それとも今みたいに雪が降ってるのかな、、
「伊織ー?聞いてる??」
『あ、、、ごめん、なんだっけ』
「クリスマスの日のこと!!
夜迎え行くから。あったかい格好して家で待っててよ。」
『うん、わかった。
万次郎も圭くんも、カイロとかちゃんと準備してね?
風邪ひかないようにしなきゃ』
「おう!」
「場地は風邪ひかねえから必要ねーな〜」
「まぁな!俺んな貧弱じゃねえし!!」
「そういう意味じゃねえケド」
『ふふっ』
「?」
万次郎の言わんとすることがわかり、思わず笑いが溢れる
圭くんは胸を張ってるけど、決して万次郎は褒めている訳ではない
まぁ、本人嬉しそうだし、野暮なことを言うのは辞めておこう