第14章 Choice
「伊織」
『なぁに?』
「…」
タケミっちと千冬くんと話してから数日後
結局、あれから2人とは連絡を絶ち、私自身も目立つような行動をしないまま時間だけが過ぎていった
そして今日も…私と万次郎と圭くん
3人で意味もなく歩きながら時間を潰す
その中で、圭くんだけが腑に落ちないような、落ち着かないような、そんな顔をしていた
「クリスマスさ、一緒に走らねえ?」
『バイク?』
「うん。
場地も一緒に」
「っ、ちょ、、、クリスマスは…」
「ん?場地ヨメいねえだろ?
それならヒマじゃん」
「そーじゃねーよ!」
『ふふふ』
「伊織も…笑い事じゃねえだろーが…」
圭くんは焦ったように、そして少し拗ねたようにそう言う
クリスマス…きっと大寿さんや八戒くん、そしてタケミっちたちが動く日…
『いいわよ。』
「ん、やった。
場地は拒否権ねぇからな。」
「はぁ!?ちょっ…伊織!」
『圭くん大丈夫。大丈夫だから…ね?』
「…」
何か言いたげな圭くんを見つめ、ひとまず彼の口を閉ざさせる
彼の言いたいこともわかる
でも、万次郎の心はもう限界だ
…今は彼から離れたらダメ
「…何、お前ら2人、俺抜きでなんか約束してたのかよ」
「違えよ!!」
『アハハ、ないない』
「ったく…つーか、俺もうバイク千冬にやったから普通に無理じゃね?」
「大丈夫。ケンチン呼ぶし。
場地はケンチンの後ろ乗れよ。」
『けんちゃん寒いって嫌がりそうだけど…』
「平気だって!ケンチン強ぇから!!」
あーあーあー…けんちゃん可哀想
ただでさえ寒がりなのに…
万次郎が決めたことにはなんだかんだ全部付き合っちゃうけんちゃん
そこが彼の優しさではあるけれど、こんな時は少し気の毒に感じてしまう