第14章 Choice
『はぁ…』
少し、強く言いすぎたかな…
冷静になれ、頭を冷やせ
そう言う私も熱くなっていた
多分、タケミっちは稀咲と組むことをやめないだろう
諦めが悪く頑固な彼のことだ
それに、今まで彼のことを止められた試しは一度もない
今回もきっと、私の言うことを1番聞いてくれないんだろう
『まあ、それはそれでいい、か、』
いくら熱くなりやすいとは言っても、彼だって大人だ
元来私の言うことを聞く必要なんてありはしない
ただし…稀咲と組むことを辞めない以上、私の思考を彼に話すのは辞めた方がいいだろう
稀咲は言葉選びが巧い
…いつのまにか情報が漏れるのが目に見えて分かる
でも、逆に私は稀咲の当日の動きは把握したい
『タケミっち達とはなるべく話さない方がいいから…どうしようか…』
メールで状況だけ送ってもらうか?
いや、稀咲の側には半間がいる
力尽くで携帯を取られたら逆こちらが錯乱される恐れがある
それに…2人ともそういうスパイのような行為は向いてない
確実にバレる
私が自力で探ろうにも、私の側には万次郎が着いてるからそれは無理
『…』
手を口元に当て、ゆっくりと目を閉じる
いろんな考えが浮かんでは消え、みんなの表情が移ろっていく
『…決めた』
ひとつ、打開策が浮かぶと、私は携帯を手に取って、ある人に電話をかけた
『もしもし、私。
頼みたいことがあるんだけど…』