第14章 Choice
「何で…」
「相棒…」
「何でわかってくれないんだ…
伊織さん…」
「…」
携帯を片手に持ったままその場にしゃがみ込み頭を垂れる相棒
その隣に俺も座ると、ぐしゃぐしゃと髪を掻き乱す
どこか…どこか、頭の中で思っていた
伊織さんは絶対に俺たちの話をわかってくれるって
絶対、味方になってくれるって
どこか、そう信じていた
「…頼り、無くなっちまったな」
「ああ」
「これからどうする?相棒」
「…」
信じていたからこそ、その勝手な期待が崩れた時のショックはデカい
「でもまぁ、頭冷やせってのは伊織さんの言う通りだと俺も思う。
タケミっち今日色々突っ走りすぎ。
もう今日は考えるのやめて寝ろ!」
「え…でも…」
「でもじゃねえ!
一旦寝て、明日また考えよーぜ。
クリスマスに八戒が大寿を襲うってのはわかったんだ。
逆に言えばそれまでは時間があるってことだしな。」
「うん…」
「じゃあ帰るぞ!」
俺はそう言ってまだ少し肩を落としている相棒を立ち上がらせると、その背中を押して強引に歩き始めた
稀咲との同盟を破棄するにしても、乗るにしても…
俺はタケミっちに着いていく
こいつを最後まで支えるって決めたんだ
俺の中ではもうそれだけがスッキリしていて、夜の光の中に足を踏み出した