• テキストサイズ

ONE MORE CHANCE【東リべ】

第14章 Choice


『これから先何が起こり、結果どうなるのか知っている。
そしてその原因となる犯人も知っている。
さらに言うなら私たちは稀咲達より12年も人生経験値が上。
…これだけ利があって勝てない方がおかしいのよ。』

「っ!」

「!」

『…今まで何回かタイムリープを繰り返してきた中で、今回が1番私たちに有利な状況にある。
だから一度落ち着いて。相手はまだ子供なの。
…同じ土俵に立たないで。
常にどこか冷静でいて。
頭をよく使って。』




そう言われ、相棒は地面へと顔を落とす

相棒の表情も、当たり前だけど電話越しの伊織さんの表情も見えなくて何も言えない




『それに…それに、八戒くんは大寿さんを殺さないわ』

「え?」

「伊織さん、、何言って…
未来で東卍がどうなってたか忘れたんですか!!?
一虎くんも言ってたじゃないですか!!」

『もちろん忘れてなんかいない。
カズくんの言葉も、東卍の状態も。』

「それなら…!!」

『殺さない、というより、殺せないのよ。』

「は!?」

「?」

『…八戒くんに大寿さんは殺せない。
八戒くんはそんな子じゃない。』

「っ!伊織さんは!伊織さんは八戒と直接話してないからそんな風に言えるんですよ!!!
八戒の覚悟は本気だった!だから絶対に止めないと!!」

「相棒…!」

『…』

「どうしてわからないんですか!!?」

『…』




肩で息をする相棒

対照的に落ち着いた様子で相棒の言葉を呑み込むように沈黙する伊織さん

…どうしたら…




『…確かに、八戒くんと君は直接話してその表情をその目で見て、色々と思うことはあるでしょう。
それをその場にいなかった私が分かるはずもない。』

「…」

『でもね、タケミっち。
八戒くんが東卍に入ってから今まで、私が見てきた八戒くんも貴方は知らない。』

「っ!」

『数年間、彼を見てきた。
私は自分の見てきた彼を信じてる。
…君の話も頭には入れておく。ちゃんとそのことも考えて私も動くことにするわ。』

「でも…」

『君は一旦、頭を冷やしなさい。
前に私が言ったことを忘れないで。
…私は必ずこのタイムリープで稀咲を堕とす。』




ピッ





機械音がひとつ鳴ると、通話時間を知らせる画面と共に相棒は力なく腕を下ろした
/ 848ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp