第3章 Contact
「タケミチくん」
「へ?」
「行こう!
こんな人たちの言いなりになっちゃダメだよ
ヒナが守ってあげる」
「!ヒナ…」
…っ、ヒナ、手震えてる
ガシッ
「オイ…
殺すぞ、ガキ」
ドラケン君のいつもより数倍低い声が頭上から響く
それだけでへたり込みそうになる
「いきなりぶん殴ってハイサヨナラ?
ふざけんなよコラ」
「ふざけてるのはどっちですか?
「あ…?」
「他校に勝手に入ってきて連れ去るなんて友達のすることじゃありません
最近のタケミチくん怪我ばっかり
もしそれが貴方たちのせいなら
私が許しません」
ガシッ
「あ?」
ヒナがドラケンの目を見て言い切った
と、俺は気がつくとドラケンの肩を掴み、口から言葉が出ていた
「その手を離せ」
「何言ってんのか聞こえねーよ」
「その手ぇ離せって言ってんだよ!!
馬鹿野郎!!」
自分の心臓の音がうるさくて仕方ない
【ヒナが守ってあげる】
違うだろ!!
今度のオレは"ヒナのこと守るよ"って約束したんだ!
「テメー
誰に向かって口聞いてんだ!?」
「もう二度と
譲れねぇモンがあんだよ」
二度と、君を危ない目に遭わせないって
決めたんだ!!!
「あーあ
せっかくダチになれると思ったのにザンネン♡
ね?伊織?」
『…そうね。』
「さて、
どうやって死にてぇ?」
ゾク
ドラケンの凄みとは格が違う
本気で殺される
頼みの綱の伊織さんももういない
きっとオレはこれから殴り殺される
「二度と人前に立てねーツラにしてやんよ」
覚悟は決めた
あとは
「ひとつだけ約束しろや」
「ん?」
「ヒナには絶っ対ぇ手ェ出すなよ」
これだけだ!
「は?しらねーよ」
「うっ」
っ、終わった…!