第14章 Choice
『…』
「…」
「…」
一通り今まで伝えたかったことは伝えた
でも伊織さんは急に黙ってしまい、重たい沈黙が俺たちの間に流れる
と、その沈黙に耐えかねたのか、相棒が1番に口を開いた
「それで…東卍組織が使えないならと思って…!俺たち、さっき手を組んできました。」
『?…誰と?』
「稀咲です!!
アイツと半間と手を組み、黒龍打破ではなく八戒を止めることに重きを置いて作戦を考えます。」
『ちょっと待って。
…稀咲と手を組むって…何考えてるの?!』
「でも…!アイツからの情報で八戒が大寿を襲う日は特定できました!!」
『稀咲は敵よ!!
裏切るに決まってる!もし裏切られなかったとしても!功労者として名をさらに刻んだらまた私たちが不利になる!!』
「それでも!アイツの近くにいたらまた何か新たな手がかりを掴めるかもしれない!!」
『やめなさい!!
貴方じゃ稀咲には勝てないわ!
稀咲の頭の良さは本物!明らかに自分より頭のいい人間に同じ頭で戦おうとしないで!!
完全に相手の思う壺なのがわからない!?』
「だけど!」
『今すぐ手を引きなさい!!
稀咲は私が堕とす!
貴方達じゃ逆に利用されるのが簡単に予想がつくわ!!!』
「っ!」
確かに…伊織さんの言うことは間違えてない
俺も最初は稀咲と組むのには反対だった
…でも…伊織さんが自由に動けない今、そんな綺麗事だけじゃやっていけないんじゃないか…?
『…タケミっち、焦る気持ちはわかる。
でも、一旦落ち着いて考えて。』
「…」
「…」
『気づいてる?
私たちと稀咲のこの戦い、私たちは勝って当たり前の勝負をしているのよ?』
「…は?」
「?」
勝って当たり前って…
思わぬ言葉が耳に入り、相棒の間抜けな声が漏れる
伊織さんはそんな俺たちを気にする素振りもなく淡々と言葉を並べていく