第14章 Choice
『謝ったって何をしたって、償うこともできないけど…ひとつだけ忘れないで欲しい。』
少しの沈黙のあと、伊織さんはそう言って言葉を続ける
「…なんですか…?」
情けないほどに声が震える
…
『千冬くんは何も悪くない。
これから先、私たちがいない間にどんなことがあったとしても、君が責任を感じることはひとつもない。
それだけ、覚えておいてほしい。』
「それは…」
『タイムリープすると決めた日から、こんな風にみんなの未来を変えることを軽く感じたことはない。
…千冬くん、君はまだ子供だけど、君と違って私たちは大人なの。
私たちは何事においても責任は必ず取らなければならない立場にある。』
「…」
『だから千冬くん、君は何も悪くない。
…それだけ覚えていて。』
「はい…」
『…ありがとう。
それじゃあタケミっちも呼んで、これからのことを話しましょう。
それから…』
…伊織さんが何かまだ話してる
だけどこの言葉を最後に、伊織さんの言葉は何も頭に入らなかった
線引きされた
もうこれ以上は立ち入るな、と
ガキの俺は必要ない、と
伊織さんはそんな意図なんか全くないと頭ではわかっているのに、
それなのに、、、そう言われているように感じてしまった
確かに俺はまだまだガキだ
だけど…それでも、いくら辛い思いをしたとしても、、、相棒の、場地さんの、、、そして伊織さんやマイキーくんの、
みんなの力になりたいと思うのは、おかしなことなのだろうか