第14章 Choice
「…タケミっち、お前は今壱番隊隊長代理だ。
その組織的な力は隊長達とそう大差ない。つまり、幹部たちを招集することもできる。」
「うん」
「だけど…そこまでだ。」
「どういうことだ?」
「話は聞いてもらえるだろうけど、東卍を動かせるかは別問題ってこと。
東卍の実質的な舵を握っているのは伊織さんであり、彼女は自分の意思だけでそれを動かすことはない。
あくまでマイキーくんの意思と共にある。」
「…」
「つまり、少なくともどちらかを絶対に落とせる策がなければ無駄だってことだ。」
「なるほど…複雑だな…」
「だからこそ東卍は暴走しないんだけどな。
で、策はあんのか?」
千冬にそう問われ、俺は一度頭の中を整理する
マイキーくんか伊織さん、アプローチするならまず伊織さんだろう
そして彼女を動かすには、黒龍を今潰せば東卍の未来を確実に良い方向に変えるということを示せば良い
…いや待てよ…
「なぁ千冬、そんなに難しく考える必要、ないんじゃないか?」
「あ?」
「だって実際、未来では八戒は大寿を殺してる!
だからそれを止めるために黒龍を潰すんだろ?
伊織さんが反対する理由は何もないじゃん!!」
「…確かに…
それじゃあドラケンくんに連絡してみるか…?
で、集まれるんなら明日にでも…!八戒が大寿を襲うのがいつかわからない以上、早い方がいい!!」
「ああ!」
「三ツ谷くんは…和平を結んだ張本人だし…呼ばない方がいいかもな、」
千冬がそう言いながらドラケンくんに連絡する
…幹部会…
まさか自分が召集をかける立場になるなんて、思ってもみなかった
電話の件も、幹部会があるなら伊織さんも来るだろうし、一旦問題はないはず
…緊張する
でも…!千冬もいてくれる!1人じゃない!!
俺はもう一度気合を入れ直すと、大きく息を吐いた