第14章 Choice
ショッピングセンターの前
12月ということで、あちこちからキラキラとした光が街を包む
その中を躊躇いなく漆黒の特攻服でブーツを鳴らしながら歩くマイキー
「どうしたよ?マイキー」
「…」
いつもは大きく見える背中が、どこか寒そうで、このまま遠くへ歩き去ってしまいそうで、思わずそう声をかける
と、マイキーはその場で立ち止まった
「…随分ボロボロになっちまったな」
「え?」
「創設メンバー」
「!」
「…パーと一虎は捕まるし、ケンチンは刺されるし、、、伊織と場地は生死彷徨うし
ピンピンしてんのなんかもう俺と三ツ谷、お前だけだ。」
「…」
「俺さ、どこ目指してんのかわかんなくなっちまった。
…このまま進んでったら…今度こそ誰か本当にいなくなっちまいそうで…」
「マイキー…」
嗚呼、そうか
コイツは…
「…黒龍なんかほっとけよ。」
「…」
「三ツ谷、お前はいなくなんなよ!?」
「…ああ」
怖いんだな、どうしようもないほどに
…マイキーは弱ってる
今までないくらいに、自力で立ってられないくらいに
俺がこのまま黒龍を放っておけないことくらい、わかってるだろうに、思わずそう口に出してしまうほど、マイキーは人を失うことを恐れている
特に最低限の自衛の術しか持たない伊織への執着は今までの数倍上を行くだろう
元々男のチームに1人女がいて、ソイツが幹部であり総長の女とまで言われている存在なら狙われるのは定石
それは誰もがわかっていた
今までは隠していたからまだ良かった
だが、、、これからはそうはいかない
…だからせめて…せめて安全なところでじっとしておいて欲しい
とは言っても箱に大人しく収まっておくような女じゃないことは俺たちが1番良く知っている
…だから、マイキーはこれから伊織を離さないだろう
だから大寿との関係を聞かないという話の下、1番安心できる自分の側に置くことを選んだんだろう
マイキー、お前は俺にいなくなんなって言うけどよ、
俺も心からそう思ってるよ
お前も、場地もドラケンも伊織も、みんないなくなんなよ。
もう危ねえこともすんなよ。