第3章 Contact
「つまり、ここの公式を用いることでこの式の答えを求めることがで「伊織〜!!行こ!!!」
授業中だと言うのにお構いなしに私のクラスにやってくる万次郎とけんちゃん。
悪びれる様子は全くなくて、思わず吹き出してしまう。
『今行く!』
「ちょ、高宮さん!?貴方まで抜けると言うの!?」
『はい、早退します』
「ダメよ!貴方は彼らとは違うのよ!?
優秀なあなたがそんな真似…『そこの答え、−9、次が3、最後が5』
「は?」
『やることはちゃんとやってるから別にいいんです
じゃ、万次郎、けんちゃん、行こう!』
「おう!」
「あぁ」
「ちょ!高宮さん!?」
先生の引き止める声を背中で聴きながら、私は万次郎達と教室を出た。
「伊織カッコい〜
答え言って出て行くなんて」
「流石だな。」
『勉強は空いた時間でもできるからね〜
みんなでいる時間の方が大事なの』
「えー、なにそれ俺めっちゃ嬉しい!」
「なんかお前変わったな。」
『そ?』
「ああ、前までは勉強ばっかで朝くらいしか俺らと会わなかったってのに
…本当に無理してねぇのか?」
『ふふ、けんちゃん大丈夫よ。
私、みんなのこと大好きなの』
「…若干質問の答えになってねぇが、、、ま、お前が無理してないならいいわ」
『大丈夫大丈夫!
そういえばタケミっちってどこ中?』
「確かあの制服は溝中だな
学年は俺たちより一個下〜」
『ふーん』
「タケミっちに会うの楽しみ〜」
そう言いながらルンルンで万次郎は廊下を駆けて行った。