第14章 Choice
「流石だな。
ん?だが…それならなんでテーピングなんかやるんだ?」
今までずっと私たちの様子を静観していたけんちゃんがそう疑問を口にする
私は緩まった万次郎の腕から離れると、彼に体を向けて答えた
『絡まれた時の圭くんの動きを見て色々気づいたことあったから…
テーピングで筋肉の動きを制限したり補助したりして、正しい体の動かし方の癖をつけるの。
そうしたら少しでも前のように近づくからと思って』
「へぇ…そんなこと出来んのか」
「すげえな」
『そうでもないよ。
よく陸上部とか…他の運動部の子達も巻いてるでしょう?
学生のマネージャーさんとかでも簡単なやつならできたりするし…』
「ふーん、そうなのか?
俺らあんま学校行かねーからな〜」
『ふふ、確かに』
まあ、今けんちゃんにやったのと学生ができるものとでは少し目的が違うけど…
詳しく話し過ぎたらボロが出そうだし、これくらいにしとくべきだろう
なんとなく納得した様子の2人に少し安心して、隠れて息を吐く
するとけんちゃんが難しそうに眉を顰め、私を見ながら口を開いた
「でもやっぱそんな奴も出てくるか…」
『ん?』
「コソコソお前狙ってくるような汚ねえ奴らのこと。
厄介だが…これから先、多分またあるぞ?」
『大丈夫よ。そんなのにやられる程やわじゃない。』
まぁどっかのチームのトップとかだったらまずいけど…今日の人たちとかなら余裕だし
それに何より、私だって東卍の幹部だ
自分の身は自分で守れるし、私を守るためだけにみんなの手を煩わせたくない
1人で立てない自分は私が嫌だ
そんなことを考えていると、けんちゃんの顔がさらに険しくなったのと同時に、万次郎が少し怒ったような顔をして私の顔を覗き込んできた
「ダメ!俺が心配すぎて無理。
前も言ったけど…やっぱ俺らか場地以外と離れんの禁止な。」
『万次郎、でも…』
「でもじゃない!
別に今までも割と一緒にいたんだし、大して変わんないじゃん!」
『だってそれだったら私の買い物とかも着いてこなきゃ行けなくなるのよ?
そんなに迷惑かけられない…』
「買い物くらい別にいいし!」
『だけど…』