第14章 Choice
『万次郎に…けんちゃん、、、』
声のした方を圭くんの身体越しに見ると、そこには眉を吊り上げた万次郎と訝しげな視線を向けるけんちゃん
2人の表情に、今の状況を再確認する
半裸の圭くんとその背に手を触れている私、そして今丁度やってきた2人
…なかなかにカオスだ
「やべ」
『ん?…わっ!』
圭くんが小さく呟き、私から少し距離を取って服を着る
と、ツカツカとブーツの踵を鳴らしながら万次郎が私たちに近づき、私の腕を引っ張った
よろけた私はそのまま万次郎の腕の中に収まり、万次郎の顔を見上げる
…不機嫌そのもの、というか、、、怒ってるな、こりゃ…
「…何やってたんだよ。」
圭くんをギロっと睨みながら少し低い声でそう問う万次郎
チラリと視界に入ったけんちゃんは溜め息をついて呆れ顔だ
「いや、、、そんなヤマシイことはしてねーよ」
「あ?」
「や、マジで。なんもしてねーんだって、、」
「なんもしてなくてこの寒ぃ中上脱ぐ奴いねーだろ。」
「違ぇよ!!
オイ!伊織!!あの、テープのやつ…なっつったっけな…」
『テーピングね。』
「そう!それだ!!
伊織にテーピングしてもらってたんだよ!!ホラ!!!」
ガバリと
圭くんは服を捲って後ろを向き、万次郎達にテーピングを見せる
それを見た瞬間、万次郎が私を抱く腕がピクリと動いた
「場地…お前怪我したのか?」
「は?してねーよ。」
「じゃあなんでそんなの…」
『私がやったの。
今日ここに来るとき「マイキーの女だろ」って絡まれてさ。
まぁ、圭くんが全部倒しちゃったから全然大丈夫だったけど。』
「…っ!絡まれっ!
怪我は!?」
万次郎とけんちゃんはみるみる目を見開いて私たちを見つめる
万次郎に至っては私の肩を掴み、頭の先からつま先まで慌てた様子で視線を向ける
『大丈夫。2人とも無傷よ。
圭くんのお陰。』
「よかった…
ありがとな、場地」
「おう!
ソイツらもボコしたしなんも問題ねーよ!」