第14章 Choice
「こんなもんかよテメェら」
「ヒッ!!」
『あーあーあー…』
圧倒的な力の差で男達を制圧した圭くん
彼に付いている血は全て返り血で、最初心配したのが信じられないくらいの力量の差でその場を収めてしまった
私は圭くんにハンカチを手渡すと、それを受け取った圭くんはあちこちに着いた血を拭う
「な、なんなんだよ!!テメェはっ!」
「あ?」
「こんなっ!1人で…全員…っ!」
「俺は東京卍會壱番隊隊長…場地圭介だ!!!
覚えとけ…俺が生きてる限り伊織にゃ指一本触れさせねえ!
次近づいたら殺すぞ。」
「っ!?場地…って、、、東卍辞めたんじゃ…」
「ハナガキってやつが壱番隊継いだって聞いたのに…っ!」
「あ?何言ってんだテメェら」
そう言って半泣きになりながら腰を抜かし、ズルズルと距離を取る男達
…コイツら本当の雑魚だな
そんなことも知らないまま挑んできたなんて…東卍のことどれだけ舐めてたんだか…
少し昨日から苛立っていた私は圭くんに容赦なくボコボコにされた男達に一歩近づきながら口を開く
『圭くんは東卍を辞めてなんかいないわ。
血のハロウィン…あの抗争は確かに大きな抗争だった。
でも…』
「ヒッ!!」
『東卍は1ミリも弱ってない。
寧ろあの日、新たな力を手に入れて強くなってる。
…お前ら如きが崩せると思うなよ。』
「っ!!か、帰るぞっ!」
「クソッ!」
情けなく服を乱し、一目散に逃げ去る6人
私はその背中にため息を吐くと、圭くんの方を振り返った
…東卍が全く弱ってないってのは言い過ぎだったかな
『圭くん、ありがとう』
「別にいーんだよ。これくらい。
これは俺の役目だからナ!」
『役目?』
「ああ!
俺はマイキーからお前のこと預かってっから!
ぜってー守るって約束したんだ!」
『約束…』
いつの間に…
"守る"か…
私個人の考えとしては、あまり嬉しくない申し出だ
だけど、ハロウィンの日に万次郎との約束を破り、心配を掛けた手前それくらい甘んじて受け入れるべきだろう
『そう。
それなら、、、これからもよろしくね?』
「おう!」
『とりあえずアジトに向かいましょう。
まだ早いけど…やりたいことも出来たし。』
私と圭くんはそんな会話をして、アジトへの道を再び進んだ