第14章 Choice
─伊織さん、お久しぶりです
─本当に…無事でよかった…
とにかく今は休みましょう
─ドラケンくんは…今…死刑囚なんです
─大丈夫です!次はきっと上手くいきます!!
─伊織さん、ありがとうございます
─伊織さん!
『なんで…』
現代で私をここに繋いでくれた千冬くん
いつも側にいてくれて、いつも私を助けてくれた
私が過去でどれだけ失敗していても、負の感情を一度も私にぶつけることなく支えてきてくれた
…既に負担をかけすぎている彼に、次は12年もの間苦痛を強いてしまう
『っ!』
ダン!!!
やり場のない怒りを壁にぶつける
無責任に重荷を背負わせ、さらには、12年の間それを一緒に背負うことすらできない自分に嫌気が刺す
そして何より
『何…やってる…!!』
何より、自分に腹が立って仕方がない
どうしてタケミチとしっかり話をしておかなかったのか
どうしてもっと先を考えられなかったのか
─思慮が浅いにも程がある!!!
あの言葉…
タケミチにそう言ったけれど、その言葉が何より必要なのは彼じゃない
…私自身だ
『…本当…何やってるんだよ…っ!』
私は取り返しのつかない過ちに後悔を滲ませながら、暗い部屋の中で、千冬くんに謝り続けた
届かない謝罪など、意味もないとわかっているのに