第14章 Choice
「しっかし…オレ稀咲に殺されんのかー
場地さんはマイキーくんにねぇ…
あ、食う?」
「うん」
「未来のことでもムカつくわー!!
マイキーくんはよくわかんねーけど」
「…」
「で、稀咲はやっぱり場地さんのこと殺そうとしてたんだな?」
「ああ。未来の稀咲の口からはっきり聞いた。
伊織さんも今回のタイムリープで勝負を決める気でいる。」
「は?今か?」
「…?そうだけど…」
「いくらあの人でもそれは無謀じゃね…?」
「なんで?」
千冬から貰ったラーメンを啜りながらそう問う
…伊織さんの留学取りやめの話は、いわば彼女から稀咲への宣戦布告だ
そして未来の稀咲の口ぶり的に伊織さんがいる限りアイツは大きく動かなかったようだった
だからアイツは伊織さんが留学するまで待っていたが、今回は違う
伊織さんが日本に居続ける以上、稀咲はもう待ったって無駄だ
何かしらアクションを起こすのは間違いない
伊織さんは恐らくそう踏んでいて、そこを叩くつもりなんだろう
「だって考えてみろ。
稀咲は血のハロウィンで幹部勢から絶大な信頼を得ている。
誰も疑ってなんか居ないし、参番隊は総勢100人。
そして元芭流覇羅の陸番隊もいる。
それに対して伊織さんの武器は俺ら新造壱番隊。
まだうまく機能してねえ。」
「…」
「いくら伊織さんがマイキーくん達に近くても、手持ちの武器が少なすぎる。
やるなら今じゃねえはずだ。
せめて俺たちがもっと使える駒にならねぇと…」
「…」
千冬はそう言いながら遠くを見据える
…確かに千冬の言う通りだ
だけど…
「…伊織さんは…俺らを武器だとは多分思ってない。」
「は?」
「…確かに俺たちには期待してるって言うけど…多分それは対稀咲への駒なんかじゃなくて…もっとこう…純粋な思いだと思う。
…伊織さんが何を考えているかなんて全く分からないけど…少なくとも稀咲みたいに人を使って自分の目的を果たすような人じゃないと思う。
伊織さんはきっと、自分で掴み取ることができる人だから…」
「タケミっち…」
稀咲も伊織さんも信じられないくらい頭がいい
でも多分根本的に違うところはそこなんだ